五差路交差点を自転車で通るには

日本の公道は、自転車が走ることを想定していない。

そう感じることが多いのではないでしょうか。

 

2017年に執行された「自転車活用推進法」──。

 

「駐輪場利用が2時間以内なら無料」というのをよく目にしますよね。これは、自転車の利用を推進するための方策の一つだったりします。

また、自転車の活用推進の一つとして、道路上に自転車ナビライン、自転車専用道路の設置。自転車活用推進法が執行された年から、至るところで見られるようになりました。

「自転車活用推進法」は、環境を汚染しない、騒音を出さない、災害時に動的である等の特性を持つ自転車。また、手軽に乗れて、公共施設へ行きやすいことから、公共利益を増進させるということで、自転車の活用を推進することを基本理念にした法律です。

 

しかし、…しかしです。

公道は、車が走るためにつくられてしまった以上、自転車が走るのは困難な場合が多いです。むりに、歩道に「自転車通行帯」、「自転車通行可」を設けたところがありますが、あくまで歩道。時速4-8 km以上出してはいけませんし、自転車通行帯に歩行者が歩いたとしても、なんのお咎めもありません。つまり、歩行者のための道です。自転車が歩道を走るのは至難の業であり、車道を走るのは危険を伴う。

 

多差路交差点なんて、公道を走るのに慣れていても難しいです。

 

多差路交差点のひとつ、飯田橋交差点。五差路交差点です。

 

ここは特に、自転車が通るには難しいでしょう。交差点周辺は、歩道と車道は遮蔽によって完全に分離しており、交差点を視認できたときには、歩道へ迂回することはできません。

 

さて、飯田橋交差点を、九段下から早稲田へ直進するにはどうすれば良いのか。

 

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図に、「A」と「B」のルートを示しました。道交法では、自転車は常に左端または、一番左の車線を走らなくてはいけません。直進するには、一番左の車線、つまり左折通行帯を走って、直進しなくてはいけません。図でいうと「B」ですね。ただし、多差路交差点、とくに交通量が多いと、車からの視認が十分にできず、事故リスクが伴います。

というわけで、一度、左隣の車道で一旦停止してから、直進する、「A」のような二段階右折のルールを元にした通行の仕方をします。これが最も安全な走り方ですね。

 

早急に自転車が通れる道へ替えてほしい車道は多々ありますが、応急措置的に走行をしなくてはいけないのが現状です。賢く走行できるようになりたいものですね。

 

新・自転車“道交法"ブック (エイムック 3721)

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